インフルエンザ 念のため 検査

岡田氏の小説には、人類が生き延びるヒントがあるかもしれない。, 小説『隠されたパンデミック』より、今回公開するのは、ウイルス検査をしてもらえない医師の叫びだ。, ――主人公は、新型インフルエンザ対策に奔走しているウイルス学者・永谷綾。致死率の高い「強毒型」インフルエンザがもし起こってしまったら、社会が崩壊する! 危惧した永谷は、厚労省の新型インフルエンザ対策の不備を追及し、本省を追われてしまった。そこへ、「弱毒型」のインフルエンザ(H1N1)が発生!――, 日本での患者数も、徐々に増加傾向にある。厚労省から今回の新型インフルエンザ(H1N1型/弱毒型)について、秋以降に予想される本格的な流行を見据えた対応の基本指針が示された。, 発熱外来を設置せずに、一般の全医療機関で新規患者を診察する。患者の全数把握は中止し、学校などの集団感染が起こった場合にのみ行うという。, 綾は、新聞の一面のこの記事を読みながら、胸がむかむかした。全数調査なんて、今までだってしてこなかったじゃないか! 何が中止だ。腹立たしさがよぎる。, 肘川市の中学校で集団感染が起きたときのことだ。その学校区では、インフルエンザ様の症状で多くの患者が医療機関を訪れていた。5月も過ぎれば、例年通りに季節性インフルエンザの発生は収まるはずだ。, 小児科クリニックを開業している飯塚医師は、外来にやってくる、季節はずれのインフルエンザの患者らに異変を感じていた。, と、看護師に検査の検体を取る準備を命じ、自分で保健所に依頼の電話をかけたのだった。, 「うちの県でも、新型インフルエンザの感染者は出ている。たしか、米国からの帰国者だった。同じ県内でも離れた地域だったが、国内での感染の広がりの可能性もある以上、やはり調べておくことは必要だ。万が一にも新型インフルエンザだったら、うちの待合室で、他の患者にうつらないとも限らん。あ、そうだ、天気もいいし気候も良い頃だし、ウイルス対策には換気が一番だ。待合もこの診療室も、そう窓を開けるか」, さて、飯塚医師自ら、保健所に新型インフルエンザの検査を依頼したのだが、最初に電話を受けた医師の課長は、検査するともしないともはっきり言わない。検査を依頼したのに。しかも、今問題になっている新型インフルエンザの検査だ。それをなぜ、検査を請け負うことに躊躇(ちゆうちよ)するのか? 飯塚医師は、イライラした思いを募らせて、思わず、言葉も乱暴になった。, 「国の指示では、アメリカとかメキシコ、カナダから帰国した人等を検査するということになっておりまして」, 「検査は保健所の判断でするのだが、厚生労働省の方から県や市を通じ、米国やメキシコからの帰国者等については、総合的な判断をして、検査対象を決めることが指導されている。飯塚先生から依頼されたこの患者は、海外渡航歴はなく、その判断基準には該当しないので、患者検体の検査はできない」, 「でもね、神戸もそうだけど、渡航歴がない人でも、感染者は出ているよね。それに、この頃、外国帰りの人だけでも、国内の感染の報告が増えているでしょ。もう、広がって、日本人同士で感染してることも十分想定されるでしょ。調べんかったら、よけいに広がるでしょ。うちの患者さんが新型インフルかどうかはわからんけど、この時期にインフル様の疾患が増えとるのは変やと、あんたも保健所にお勤めの医者ならわかるでしょ。調べてほしいんだよ」, 重ねてまくしたてるが、「できません」「該当しない」の一点張りで、検査はできずに終わった。, これは後になってわかったことだが、肘川市の医師会では、他の開業の医師も同様の危惧を感じて、検査を依頼したが、保健所も行政機関の答えはすべて、NOだったという。, 肘川市の中学校で新型インフルエンザの集団感染が発生したのは、間もなくのことだった。さらに小学校も休校になり、家族や学校の教員、事務職員にも感染者が出た。, 飯塚医師は、その週の医師会の会合で珍しく発言を求めて、今回の保健所の対応や感染拡大の顚末を説明した。, 「保健所、ううん、行政側の対応でしょ。保健所にそうさせる力は、その上の組織から掛かっているわけだから」, 耳鼻科を開業している女性の医師も言葉を継いだ。彼女のところにも、同時期にインフルエンザ様の患者が多く受診に来たという。保健所では、決して現場の担当者がサボタージュしたわけではない。上の方から、なるべく検査をさせないという力が働いていることは間違いなかった。, あの時に、感染が確認されていれば、学校での集団感染や地域での広がりを阻止することもできたのではないか? 学校医をしている医師は、検査体制の整備を医師会で要請すべきだと声を荒らげた。, 割り切れない思いが、どの医師にも渦巻く。新型インフルエンザが地域で流行すれば、その医療を受け持つのは、かかりつけ医である自分たちなのである。, 肘川市での地域流行は、メディアでも大きく取り扱われ、新聞でもテレビでも報道されるところとなった。, 飯塚医師や仲間の開業医は、いくら患者発生数が報道されても、そこに至った、消極的な検査体制の実態や、実は適切に検査されていない事例が多くあること、そのための見過ごしによって拡大が防げなかった点を、メディアが全く指摘していないことに強い憤りを覚えた。, そして、県で第11例目の感染者とされる外国人が、実は肘川市を訪れていたことが明らかになった。このことを、地域流行が発生してしばらく経ってから、初めて県から報告されるに至っては、県や国の感染症の危機管理の甘さ、行政のいい加減さを思い知らされたような気持ちがした。, 肘川市の定例議会では、担当の課長が、淡々と「今後は県や国とも密に連携をとって、指導をいただきながら、円滑に進めていく」と答弁して幕引きとなっていた。, 密に連携するからこうなったのではないか。まともな指導がされるように改善されるのか。新型インフルエンザ対策はこれでいいのか。, 綾は、東京都や首都圏を中心に、感染者の報告が、いずれも海外からの帰国者などの渡航歴のある人たちばかりなのが気になっていた。疑い患者の中で、北米からの帰国者しかウイルス検査の対象にしていないのではないだろうか。今の段階では、日本人同士の感染を疑うべき時であるのに。, 梅雨時期や夏は、目立った流行は起こらなくとも、着実にひろがったウイルスは小流行や集団感染を起こしながら、気温が20度を下回る頃に、爆発的に感染者を増やす。それが怖いのだ。夏休み明けの9月、そして10月に流行が大きくなるだろう。, そうやって確定しなければ、感染者数には反映しない。確定しないことは、なかったことにでもなるというのか。見なかったことは、ないことになるのか。, 新型インフルエンザの患者の医療費は、国の負担となるはずだが、確定検査しないならば、救済にはならない。だいいち、秋以降、莫大に増える患者の医療費は、膨大な額になるはずだ。そんな予算のあてはあるのか? 秋冬になれば指定の感染症から外すということか?, 「県議会、都議会選挙、衆院選、人の集まる決起集会には新型インフルエンザ対策なんて邪魔なんだよ」, 「新型インフルエンザが出れば景気に影響するんだよ」「人ごみを避けろなんて言うから、5月、百貨店はガラガラだったじゃないか!」「観光には打撃なんだよ」, 南の島で強毒性新型インフルエンザが発生した。感染した商社マン・木田は帰国4日後に死亡。感染症指定病院や保健所は急いでパンデミックに備えるが、瞬く間に野戦病院と化す。R病院副院長・沢田他、医師の間に広がる絶望と疲弊、遂には治療中に息絶える者も。科学的根拠を基にウイルス学の専門家が描いた完全シミュレーション型サイエンスノベル。, ワクチンが足りない!情報が操作されている!ウイルス学者・永谷綾は、厚労省の新型インフルエンザ対策の不備を追及、本省を追われる。同時期に、“弱毒型”インフルエンザが発生、同省の対策の甘さが露呈した。もし今“強毒型”が流行したら、被害は何百倍にもなる。綾は、政界や経済界に直訴を始めた。厚労省の闇を暴く、問題の社会派小説。, マスクやトイレットペーパーが売り場から消え、イベント自粛や小中高休校の要請が首相から出され、閉鎖した商業施設もあれば、従業員の出社を禁止する企業も出ている。, なんと岡田氏は、10年前に自身が書いた小説の中で、まさにこうなることを、予言していた!, そこで、この2つの小説、『H5N1 強毒性新型インフルエンザウイルス日本上陸のシナリオ』『隠されたパンデミック』を、緊急重版かつ緊急電子書籍化した。, 白鴎大学教育学部教授。元国立感染症研究所研究員。医学博士。専門は感染免疫学、ワクチン学。「新型インフルエンザ完全予防ハンドブック」「H5N1」「隠されたパンデミック」(以上、幻冬舎)、「人類vs感染症」(岩波ジュニア新書)、「感染爆発にそなえる――新型インフルエンザと新型コロナ」(共著、岩波書店)、「強毒型インフルエンザ」(PHP新書)、「なぜ感染症が人類最大の敵なのか?」(ベスト新書)、「感染症とたたかった科学者たち」(岩崎書店)、「うつる病気のひみつがわかる絵本シリーズ」(ポプラ社)、「学校の感染症対策」(東山書房)など著書多数。. 実は、岡田氏は、10年前に自身の小説の中で、「弱毒性インフルエンザ」の流行によって起こるパンデミックを描いている。 当サイトでは、JavaScriptを使用しております。 © year = new Date().getFullYear(); document.write(year); Gentosha Inc. 白鴎大学教育学部教授。元国立感染症研究所研究員。医学博士。専門は感染免疫学、ワクチン学。「新型インフルエンザ完全予防ハンドブック」「H5N1」「隠されたパンデミック」(以上、幻冬舎)、, 「人類vs感染症」(岩波ジュニア新書)、「感染爆発にそなえる――新型インフルエンザと新型コロナ」(共著、岩波書店)、「強毒型インフルエンザ」(PHP新書)、「なぜ感染症が人類最大の敵なのか?」(ベスト新書)、「感染症とたたかった科学者たち」(岩崎書店)、「うつる病気のひみつがわかる絵本シリーズ」(ポプラ社)、「学校の感染症対策」(東山書房)など著書多数。. ブログを報告する, 「園から念のため検査してくるように言われました」に何とも思わないのが、大人の小児科医ってもんです, 母「40℃出ていて軽症ってことはないですよね」、私「40℃の熱だけで済んでるんだから軽症ですよ」, インフルエンザワクチンは高齢者を優先して、子どもや妊婦は10/26以後に接種するようにとの国の方針を聞いて、「保育園落ちた日本しね」のブログを思い出した, 子宮頸がんワクチンの新製品が承認されましたが、定期接種になるまでにはまだかかりそうなので、待たずに接種を勧めます, 時勢に逆行するようですが7月以後オンライン診療の受付は原則中止とすることにしました。. こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。まだまだ看護師、事務、脳波技師を募集中です!, インフルエンザが凄いですね。A、B型ともに、他にRSやアデノ、溶連菌も多いようで診る方も難しい時あります。学校や園ではちょっとしたパニックになっているようで、軽いカゼ症状で熱も無く元気な子に、念のために検査してもらってくるように言うところもあるようです。, まず前提として、インフルエンザに限りませんが診断は症状経過と診察所見(喉の状態とか)、検査結果を総合して判断するものです。「迅速検査陽性=インフルエンザ」ではありません。喉にインフルエンザウイルスがいたとしても、全く症状が無ければ「インフルエンザ感染症」ではないのです。だから、検査陽性でも症状が無ければタミフルもリレンザも不要だし出席停止する必要もないです。だから検査する意味ないんです。, そもそも検査が万能ではないです。通常、迅速検査は発熱して半日くらい経過しないと陽性に出ないことが多いです。でも、出ることもあります。半日以上たって検査したのに陰性で、翌日に再検査して陽性になることもあります。陰性を聞いて安心される保護者の方も多いですが、半日後には陽性になってるかもしれません。私は検査以外のいろんな所見からどう考えてもインフルエンザなら、検査せずに診断して治療を勧めることも多いです。, 学校や園で受診して検査を指示されても従う必要はありません。クリニックは保健所や厚生省からの指示には従わないといけませんが、学校や園の下部組織ではありません。検査をするかどうかは医師と患者さんの合意で決める事だから、患者さんが納得しなければ拒否して構いません。少しもインフル症状が無いのに受診して、病院でインフルうつされて帰ってくるなんてなったらバカみたいですよね。, 軽いカゼだけの子に検査をしてインフルエンザと診断している病院もあるようで、余計に混乱させてるようです。だいたい熱が初めから無ければ、いつから発症で、いつを治癒として出席停止期間を決めてるのか不思議です。, 現在、インフルエンザの患者さんも多いのですが、インフルエンザを心配して来るインフルエンザじゃない患者さんも同じくらい多いです。仮にインフルでも症状が軽ければ普通のカゼと同じです。家で温かくして栄養とって寝てれば治ります。冷静に対応しましょう。, 小児科医 吉岡誠一郎 滋賀県の栗東駅東口側から徒歩約5分のところに「栗東よしおか小児科」を開院しました。 になっているところです。, 上記の文章をよく、読み直していただいて、それでも検査を受けるべきか、熟慮してください。, 新型コロナウイルス、現時点では、特効薬はありません。検査で陽性であっても自宅療養が治療の中心です。 よろしくお願いします。, yoshisei830さんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?, Powered by Hatena Blog JavaScriptを有効にしていただきますと、より快適にご覧いただけます。, いま、テレビで見ない日はない、ウイルス学の第一人者、岡田晴恵氏。 インフルエンザが凄いですね。a、b型ともに、他にrsやアデノ、溶連菌も多いようで診る方も難しい時あります。学校や園ではちょっとしたパニックになっているようで、軽いカゼ症状で熱も無く元気な子に、念のために検査し… 1.インフルエンザ迅速検査について まず、皆様にも馴染み深い、インフルエンザについて、考えてみます。 もうどこの外来でも、「じゃあ、調べてみましょうか」とグリグリと鼻に綿棒突っ込む検査はお馴染みでしょう。 「あ、a型、出ましたね。 | 悪化した場合には入院加療もありますが、特効薬はありません。 インフルエンザ流行期になると、学級閉鎖や警報に関わるニュースが全国に流れます。多くの医療機関でインフルエンザの検査や治療や予防接種が行われていますが、その価値はいったいどのくらいのものなのでしょうか。 インフルエンザウイルス感染症とは? コロナとインフル「同時流行」に備え 検査数を大幅に増やす計画を取りまとめ…大阪府10月14日 21:17, 大阪府は14日、新型コロナウイルスとインフルエンザとの同時流行に備え、検査数を2万件以上に増やすための、整備計画を取りまとめました。大阪府は、この冬に同時流行が懸念される新型コロナウイルスとインフルエンザを見分けるために、約2万2000件の検査が必要だという試算をしています。これに対応するため、検査数を現在の1日3500件から、11月上旬に5000件、12月中旬までに1万件、ピーク時の1月上旬に2万2000件と段階的に拡充する計画を取りまとめました。これまでの帰国者・接触者外来やドライブスルーでの検査に加え、新たに地域の診療所でも、簡易抗原検査キットを使った検査をできるよう体制を整えるということです。大阪府は、検査が可能かどうか診療所ごとに意向調査を行っていて、今月末にはとりまとめる予定です。, 関西テレビ ページトップへ戻る. なんと、小説の中で繰り広げられる社会的混乱の数々は、新型コロナウイルスによって起きている、今のパンデミックの様相そのものだ。, 日本は……世界は……、いったいこの先、どうなるのか? ご了承ください。, 3月7日現在の当院での新型コロナウイルスを踏まえた診療スタンス, そもそも新型コロナウイルス検査はするべきなのか, 新型コロナウイルス検査についての当院のスタンス, さすがにマスク、させていただきます, クリニックのユニフォームをリニューアルしました, 今年のインフルエンザワクチン, 一時的に外来の診察スタイルが替わります笑. 子供の症状が発熱のみだと、シロップと座薬を処方されるだけだったりして、念のためのインフルエンザ検査をお願いしても、発熱の症状だけでインフルエンザというわけではないと言われて、検査をしてくれなかった小児科もあります。 次回:国民の6割程度が感染を受けて免疫を持つに至るまで、2回、3回と流行は波のように繰り返される!. 大阪府は14日、新型コロナウイルスとインフルエンザとの同時流行に備え、検査数を2万件以上に増やすための、整備計画を取りまとめました。 大阪府は、この冬に同時流行が懸念される新型コロナウイルスとインフルエンザを見分けるために、約2万2000件の検査が必要だという試算をしています。 早期診断できるものでもなく、早期診断したとしても、重症化を予見はできません。 重症化リスクがあれば、その時点で、どういう対応をするか、かかりつけ医と相談でいかがですか?, 最後に、繰り返しますが、当院では、現時点で、新型コロナウイルスの検査は受け付けておりません。 私がどういう性格で、どういう考えを持っているのかなどを知っていただければと思い始めたブログです。 「念のために、新型インフルエンザの検査をしておきたいな」 と、看護師に検査の検体を取る準備を命じ、自分で保健所に依頼の電話をかけたのだった。 飯塚医師は、新型インフルエンザに対する適切な危機感を持っていた。 以前、「インフルエンザかも!?」と思い病院へ行って検査を受けたら陰性で、次の日に「やっぱりしんどい!」と病院に行き再検査を行ったところ今度は陽性反応が・・・、といった経験があります。 熱が高くて動くのもしんどいなか、必死の思いで病院を目指した記憶が忘れられません。 1.インフルエンザ迅速検査について まず、皆様にも馴染み深い、インフルエンザについて、考えてみます。 もうどこの外来でも、「じゃあ、調べてみましょうか」とグリグリと鼻に綿棒突っ込む検査はお馴染みでしょう。 「あ、a型、出ましたね。 A型とB型のインフルエンザウイルスの重感染がごくまれにあり、A型とB型の両方に反応ラインが見られる場合があります。このような場合には、念のため再度検体を採取して検査してください。

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